遊びながら学べる「美術鑑賞」のすすめ

「ゲーム=ただの遊び」というイメージを持っている方もいるかもしれません。ですが、あつ森をプレイしていると、実際に存在する世界的な名画や彫刻をコレクションできる仕組みがあるんです。しかも、その過程で「これはどこに展示されているの?」「偽物と本物の違いは?」など、自然に美術に関心を持つきっかけがたくさん散りばめられています。
親子で楽しめる、そして大人でも「へぇ!」と学び直しになる。そんなあつ森の奥深い魅力を伝えるよ〜
つねきちと美術品コレクション
あつ森で美術品を手に入れるためには、怪しげな船に乗ってやってくる「いなりマーケット」の店主・つねきちに会う必要があります。
つねきちは美術品や家具を売ってくれるのですが、あつ森の面白いところは…まさかの偽物があるという点。
例えば、ルーヴル美術館にある「モナ・リザ」は、あつ森の中では「ゆうめいなめいが」という名前で登場します。本物なら眉毛がないのですが、偽物はしっかりと眉毛が描かれているんです。
「え?そんな細かい違い、気づかない!」と思うかもしれません。でも、注意深く観察すれば「おかしいぞ?」と気づける。つまり、作品をじっくり観察する習慣が自然と身につくんです。
これは実際の美術鑑賞にも通じる大切なスキル。あつ森を遊んでいるだけで、知らないうちに“目”が鍛えられているんですね。
博物館に並ぶ名画の数々
あつ森では、美術品を手に入れたら博物館に寄贈することができます。フータ館長のもとに届けると、美しい展示スペースに飾られ、プレイヤーはいつでも鑑賞可能。
この博物館が本当に素晴らしい!
寄贈した名画は、ちゃんとその実際の作品名と作者も表示されます。たとえば——
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「すごいめいが」=レンブラントの《夜警》(アムステルダム国立美術館所蔵)
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「きれいなめいが」=ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》(ウフィツィ美術館所蔵)
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「アカデミックなめいが」=レオナルド・ダ・ヴィンチの《ウィトルウィウス的人体図》
などなど、実際に存在する世界の名画がずらり。ゲームを進めるほどに、美術史の教科書に出てくる名作が、自分の島の博物館に集まっていくわけです。
子どもと一緒に「あ、これはイタリアの美術館にあるんだね!」なんて話す時間は、まさに“遊びながら学べる”瞬間。旅行気分で世界中の美術館を巡っているような楽しさがあります。
あつ森美術品一覧
それでは、あつ森に出てくる「めいが」と、実在する美術品、さらには、現実世界でその美術品がどこに存在するのか、おまけで偽物との見分け方も簡単にまとめましたよ!
No. | あつ森(〜なめいが) | 実際の作品名(原題) | 主な所蔵・展示場所(国・美術館等) | あつ森での本物 / 偽物の見分け方 |
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1 | アカデミックなめいが | ウィトルウィウス的人体図 (Vitruvian Man) — Leonardo da Vinci | イタリア(原画はイタリア所蔵、複製が各地に展示されることあり) | 本物:右上に“シミ”がない。偽物:右上にシミがある。 (Nookipedia) |
2 | あらぶるめいがのひだり | 風神雷神図(左) (Wind and Thunder Gods - left) — 俵屋宗達 等(系譜) | 日本(複数の屏風が著名。所蔵は複数) | 本物:左側の神(風神/雷神)の配置・表情が正しい。偽物:向きや配置が違う。 (ゲームウィズ) |
3 | あらぶるめいがのみぎ | 風神雷神図(右) (Wind and Thunder Gods - right) | 日本(複数の屏風があり、所在は作品による) | 本物:右側の神の描写が正しい。偽物:配置・表情の差。 (ゲームウィズ) |
4 | いいめいが | 笛を吹く少年 (The Fifer) — Édouard Manet | 仏/美術館所蔵(作品は複数の所蔵先で展示歴あり) | 本物:小さな少年像と服の描写が一致。偽物:服の色や人物の向きが異なる。 (Nookipedia) |
5 | いきなめいが | 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 (The Great Wave off Kanagawa) — 葛飾北斎 | 日本(浮世絵、版ごとに所蔵先が多数。東京など各地の所蔵あり) | 本物:波の形や富士山の位置が正しい。偽物:波の形や細部が異なる。 (Nookipedia) |
6 | いさましいめいが | 青衣の少年 (The Blue Boy) — Thomas Gainsborough | 英国(代表的展示歴あり。所蔵によって展示場所が変動) | 本物:少年の青い衣の色合い・体の向きが一致。偽物:色合いや顔つきが違う。 (Nookipedia) |
7 | おちついためいが | 牛乳を注ぐ女 (The Milkmaid) — Johannes Vermeer | オランダ、アムステルダム国立美術館(MauritshuisやRijksmuseumなど所蔵情報は作品による)注記あり | 本物:女が抱えている器/注いでいる牛乳の量や色が一致。偽物:器や牛乳の描写が違う(色や量で判別)。 (Nookipedia) |
8 | おもしろいめいが | 四季「夏」 (Summer) — Giuseppe Arcimboldo | イタリア/ヨーロッパの美術館に所蔵(版や複製あり) | 本物:顔のパーツ構成(果物や野菜の配置)が原作通り。偽物:要素の向きや品目が違う。 (Nookipedia) |
9 | しずみゆくめいが | オフィーリア (Ophelia) — John Everett Millais | 英国(テート・ブリテン等で展示歴) | 本物:水面の花の種類やオフィーリアの髪の描写が一致。偽物:花や顔の表情が異なる。 (Nookipedia) |
10 | しなやかなめいが | 見返り美人図 (Beauty Looking Back / Mikaeri Bijin) — 菱川師宣 | 日本(浮世絵、所蔵先複数) | 本物:人物の向き・髪型・着物の柄が一致。偽物:柄・向き・体のバランスが違う。 (ゲームウィズ) |
11 | すごいめいが | 夜警 (The Night Watch) — Rembrandt van Rijn | オランダ、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum) | 本物:中央の人物の装備・帽子の有無で判別。偽物:中央人物の帽子や持ち物が異なる。 (Nookipedia) |
12 | すてきなめいが | 真珠の耳飾りの少女 (Girl with a Pearl Earring) — Johannes Vermeer | オランダ、マウリッツハウス美術館(Mauritshuis) が代表的所蔵。 | 本物:丸い真珠の耳飾り/まぶたや視線の描写が合致。偽物:耳飾りが星型だったり/目を閉じている等。 (ゲームウィズ) |
13 | すばらしいめいが | リンゴとオレンジ(静物画) (Still Life: Apples and Oranges 等) — 静物画一般(複数の画家) | 作品により所蔵先が異なる(代表は欧州の美術館等) | 本物:果物の種類や配置が原作通り。偽物:果物の色・数・配置が違う。 (Nookipedia) |
14 | ちからづよいめいが | 種をまく人 (The Sower) — Jean-François Millet | フランスの美術館に所蔵(作品によって複数) | 本物:人物のポーズ・背中の線・背景が一致。偽物:ポーズや影の入り方が異なる。 (Nookipedia) |
15 | ちみつなめいが | 紫陽花双鶏図 (Ajisai Sokeizu) — 伝統的日本画(題材) | 日本(伝統絵画のため所蔵先は作品により異なる) | 本物:紫陽花と双鶏の色・位置が一致。偽物:色合いや鶏の向きが違う。 (ゲームウィズ) |
16 | ひかりのめいが | 戦艦テメレール号 (The Fighting Temeraire) — J. M. W. Turner | 英国、ナショナルギャラリー等で所蔵・展示歴あり | 本物:帆船と曳航される船の光の表現が一致。偽物:太陽位置や帆の形が違う。 (Nookipedia) |
17 | またたくめいが | 星月夜 (The Starry Night) — Vincent van Gogh | アメリカ、ニューヨーク近代美術館(MoMA) が代表的所蔵 | 本物:渦巻く空の描写・大きな月の位置が一致。偽物:渦の形や星の数が違う。 (Nookipedia) |
18 | たおやかなめいが | 白貂を抱く貴婦人 (Lady with an Ermine) — Leonardo da Vinci | ポーランド(チェンストホーヴァ、チェルニツァ等)や他の所蔵情報あり(原作の所蔵先は変動) | 本物:抱いているイタチ(白貂)の色が白。偽物:イタチが黒い等。 (Nookipedia) |
19 | よくみるめいが | 落穂拾い (The Gleaners) — Jean-François Millet | フランス、ルーヴルやオルセー等で展示歴あり | 本物:女性たちの位置や籠の描写が一致。偽物:人物の配置や収穫物の量が異なる。 (Nookipedia) |
20 | みごとなめいが | 雪中の狩人 (The Hunters in the Snow) — Pieter Bruegel the Elder | オランダ・ベルギーの主要美術館/所蔵(作品による) | 本物:雪景色の遠近法や狩人たちの位置で判別。偽物:配置や空の色が異なる。 (Nookipedia) |
21 | いなせなめいが | 三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛 (Ōtani Oniji III as Edohei) — 東洲斎写楽(Sharaku) | 日本(浮世絵、所蔵は複数) | 本物:眉の形(つり眉)、顔の表情が特徴的。偽物:眉の形がハの字などで変化(表情が変わる)。 (ゲームウィズ) |
22 | なぞめいためいが | 死の島 (Isle of the Dead) — Arnold Böcklin | スイス/ドイツなどの美術館に所蔵歴あり | 本物:島の形や岸辺の配置が一致。偽物:船の有無や波の描写が異なる。 (Nookipedia) |
23 | おだやかなめいが | グランド・ジャット島の日曜日の午後 (A Sunday Afternoon on the Island of La Grande Jatte) — Georges Seurat | アメリカ、シカゴ美術館(Art Institute of Chicago) が代表的所蔵。 | 本物:点描のドットの間隔や人物の帽子の有無等で判別。偽物:点の配置や人物の位置が違う。 (Nookipedia) |
24 | いいかんじのめいが | 着衣のマハ (The Clothed Maja) — Francisco Goya | スペイン(プラド美術館等で展示歴あり) | 本物:女性の服のはしの形や表情が一致。偽物:服の模様や表情が違う。 (Nookipedia) |
25 | きれいなめいが | ヴィーナスの誕生 (The Birth of Venus) — Sandro Botticelli | イタリア、ウフィツィ美術館(Uffizi Gallery, Florence) | 本物:右上に木がある。偽物:右上に木がない。 (ゲームウィズ) |
26 | ゆうめいなめいが | モナ・リザ (Mona Lisa) — Leonardo da Vinci | フランス、ルーヴル美術館(Louvre, Paris) | 本物:まゆげがない。偽物:まゆげがある。 (Nookipedia) |
27 | にぎやかなめいが | フォリー・ベルジェールのバー (At the Moulin Rouge / Theatre/Folie Bergère) — Henri de Toulouse-Lautrec | フランス(印象派・ポスター美術の所蔵館等) | 本物:人物の服装や背景の看板等が一致。偽物:看板や人の配置が異なる。 (Nookipedia) |
28 | たぐいまれなるめいが | ひまわり (Sunflowers) — Vincent van Gogh | オランダ/英国/米など所蔵(代表:アムステルダム国立美術館、ナショナルギャラリー等に所蔵版あり) | 本物:花の数・向きや花瓶の描写で判別。偽物:花の数・色が違う。 (Nookipedia) |
29 | おごそかなめいが | ラス・メニーナス (Las Meninas) — Diego Velázquez | スペイン、プラド美術館(Museo del Prado, Madrid) | 本物:画中画の位置や人物の配置で判別。偽物:人物配置や鏡の反射が違う。 (Nookipedia) |
30 | かちのあるめいが | 民衆を導く自由の女神 (Liberty Leading the People) — Eugène Delacroix | フランス(ルーヴルや国立美術館等で展示歴) | 本物:女性の掲げる旗の形や人物の位置で判別。偽物:旗の形や手の向きが違う。 (Nookipedia) |
偽物があるからこそ学べること
つねきちが持ってくる美術品には、偽物も多く混ざっています。
一見すると本物そっくり。でもよく見ると——
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「真珠の耳飾りの少女」のイヤリングが星型になっている
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「落ち穂拾い」の人数が違っている
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「神奈川沖浪裏」の波に不自然な形がある
などなど、笑ってしまうような違いが隠されています。
子どもたちは「どっちが本物かな?」と一緒に考えながら観察することで、比較して違いを見抜く力を養えます。まるでクイズ感覚。
親子で遊びながら「本物はどれ?」と当てっこするのも盛り上がりますよ!
あつ森は「学びの宝箱」
あつ森は、ただのほのぼのスローライフゲームではありませんね!
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化石を集めれば古生物学にふれられる
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魚や虫を捕まえれば生物学の知識が増える
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季節ごとの行事や文化が登場し、民俗学的な要素もある
そして美術品コレクションでは、美術史や芸術鑑賞に親しむことができます。
「学び」というと机に向かってテキストを読むイメージがありますが、あつ森のように遊びながら、体験しながら学べるスタイルは、子どもにとっても大人にとっても最高の入り口になるのではないでしょうか♪
まとめ:あつ森で世界の美術品を手に入れよう!
この記事では、あつ森で美術が学べる魅力をご紹介しました。
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つねきちから購入 → 偽物を見分ける観察力アップ
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博物館に寄贈 → 実在する名画を知り、世界の美術館に興味が湧く
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親子で一緒に「遊びながら学ぶ」体験ができる
ゲームを通じて、「いつか本物を見に行きたいな」と思うきっかけが生まれるのも素敵ですね。
ぜひあなたも、あつ森を通して美術の世界に足を踏み入れてみませんか?
遊びながら世界の芸術に触れられる——それこそが、あつ森の最大の魅力のひとつなのです。